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コラム
賃貸契約をかわしているのになぜ、勝手に合鍵を作ってはいけないのか。
2015/2/27 公開
鍵の専門家が丁寧に教えます!
初めて賃貸を借りる方は、勝手に合鍵を作ってはいけないというよく分からない契約内容について疑問を抱いてしまうことが多いのではないでしょうか。
そもそも賃貸契約をかわしているのですから、そのカギをどう使おうと個人の自由ですし、もし損害が出たとしても入居者の責任として賠償を行えば済むことです。
ですから、賃貸契約がしっかりと結べているのであれば、合鍵を作ることはそれほど常識を逸脱した行為ではないと考えるのが普通でしょう。しかし、現実的には合鍵を作ってはいけないというのが一般的な常識となっているのです。これはなぜなのでしょうか?
部屋を貸している側のリスクを考える
その理由は、合鍵を作る目的を想像すれば理解できるかもしれません。
というのも、合鍵を作る場合、その合鍵を持たせるのはその実際にアパートに住んでいない親戚や恋人などに限定されてくるはずです。極端な話、そこから推測されるのは、どこか外部にわたってしまった合鍵を使用して自分以外の人間が勝手にその部屋に出入りすることができるようになります。
ここで賃貸契約について改めて考えてみれば、その部屋を借りて使用する契約をしているのは大家と借主や、賃貸契約を行った際に同居することが確定していた人間だけですから、その契約で決まっている人以外がその部屋を利用することは契約違反になってしまいます。
そう、合鍵を勝手に作るということは、この「借りた部屋を使用すると決まっている人以外が使用するリスク」を生むことになるのです。
このことから、合鍵を勝手に作ってはいけないというルールがあると考えていいでしょう。
カギを交換するときも大家さんに相談を
「自分が信頼している人だから大丈夫」という感覚は、大家さんや賃貸物件の管理者には伝わりませんし、そもそも関係のないことです。
合鍵を持った人が道徳を心得ていて、普通にその賃貸物件を使用するのであれば問題のないことですが、今の世の中、それが通用することは少ないと言っていいでしょう。
もしかしたら、反社会的な目的で使用される可能性もゼロではありませんし、そもそも、不特定多数の人間が出入りすることによって同じ物件に住んでいる入居者を不安にさせてしまう可能性があります。
アパートを管理している側からすれば、そのようなリスクを生じさせないという理由で、賃貸契約をしていたとしても勝手に合鍵を作ることが禁じられているのです。
ですから、もし防犯上の目的でカギを交換したいと考えている場合でも、自分で勝手に交換するのではなく、必ず大家さんに相談するようにしましょう。
万が一独断で交換したことによって、契約違反で家を追い出されては元も子もありません。