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コラム
あなたが持っている鍵の種類や特徴とは?鍵のプロが丁寧に解説!
2023/7/18 更新
鍵の専門家が丁寧に教えます!
「私が持っている鍵ってなんて名前なんだろう」
「なんとなく鍵を使っているけど、防犯性とか値段とか知らないな」
誰しも毎日持ち歩いている鍵ですが、自分が持っている鍵の名前を知らない人がほとんどですよね。
鍵の名前はもちろん、値段や性能などを知らなくても、日常生活で不自由なことはないのですが、
「鍵を無くしてしまった!」
「新しい家に鍵を取り付けたい」
となった時に、鍵の知識があると非常に便利です。
そこで今回は、実績12万件以上の鍵のプロが、鍵の種類と特徴についてご紹介します!
鍵の知識を身につければ、「鍵を無くした、鍵を取り付けたい」といったもしもの際に役立つこと間違いなしです。
鍵メーカーごとの特徴や、新しく鍵を取り付ける際にオススメの鍵についてもご紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
この記事を読んで、カギ博士になりましょう!
それではさっそく、参ります。
目次
- 鍵ってどれのこと?
- 私たちが持ち歩いているのが鍵(キー)
- 玄関ドアについているのが錠(ロック)
- デットボルト・ラッチボルト(締具)
- 鍵(キー)の種類と特徴について
- ディスクシリンダー
- ロータリーディスクシリンダー
- ピンシリンダー
- ディンプルキー
- マグネットタンブラーシリンダー錠
- 錠(ロック)の種類と特徴
- ケースロック(箱錠)
- インテグラル錠
- 円筒錠
- プッシュプル錠
- サムラッチ錠(装飾錠)
- 鍵のメーカーについて
- MIWA(美和ロック株式会社)
- GOAL(株式会社ゴール)
- KABA(ドルマジャパン株式会社)
- WEST(株式会社ウェスト)
- SHOWA(株式会社ユーシンショウワ)
- FUKI(株式会社フキ)
- 新しく鍵を取り付けるならどの鍵がいい?
- 高い防犯性を求めるなら、ディンプルキーがオススメ
- 費用を抑えたい方には、ロータリーディスクシリンダーがオススメ
- まとめ
鍵ってどれのこと?
「玄関の鍵をかけ忘れたかも」
「あれ…カバンの中に鍵がない!」
私たちが「鍵」と呼ぶものは、玄関ドアについている器具と、私たちが持ち歩いている道具の二種類がありますよね。
いったい、どちらが鍵なのでしょうか?
私たちが持ち歩いているのが鍵(キー)
私たちが持ち歩いている小型の道具のことを、鍵といいます。
区別がしやすいよう、鍵業者では「小鍵」とも呼んだりもしますね。
鍵の部分ごとに名称がついており、鍵の丸くなっている持ち手の部分が「キーヘッド」、鍵のギザギザした縦断面が「キーウェイ」です。
玄関ドアについているのが錠(ロック)
普段持ち歩く鍵(小鍵)に対して、玄関ドアについている器具のことを、錠といいます。
錠は合計で16種類の部品から、構成されています。
ここではいくつか、私たちもよく知っている部品の名称について、お伝えしましょう。
シリンダー(鍵穴)
開閉するために鍵を差し込む鍵穴が円筒(cylinder)の形をしているため、シリンダーと呼ばれています。
シリンダーの内部は複雑で、外筒と内筒、タンブラー(障害物)が組み合わさっています。鍵を差し込むことで、複雑な構造が噛み合い、開閉できる仕組みですね。
サムターン(つまみ)
内側から鍵を閉める際に、動かすつまみのことをサムターンと呼びます。「サム」は日本語で親指のことですね。
サムターンを回すと、錠本体からデッドボルト(かんぬき部分)が飛び出し、ドア枠に取り付けられたストライクにかかって施錠される仕組みです。
デットボルト・ラッチボルト(締具)
サムターンやシリンダーで施錠したときに、錠から突き出る部品をデットボルト(本締)、ドアが勝手に開かないように、ドア枠にとめる部品をラッチボルト(仮締)といいます。
鍵(キー)の種類と特徴について
「鍵ごとにどんな特徴がありますか?」
と聞かれれば、ギザギザ・凹凸のある・丸みがあるといったように、見た目の特徴をはじめに想像しますよね。
実は、見た目が違うだけで鍵の防犯性や価格が大きく変化するんです。
今回は玄関などでよく利用されている、5種類の鍵の特徴についてご紹介します。
ディスクシリンダー
ディスクシリンダーは、ギザギザな形状の鍵と縦型の鍵穴が特徴的です。シリンダー内の構造とギザギザした鍵がピッタリ揃うことで鍵が回る、簡単な仕組みですね。
大量生産が可能で価格も安価なため、高度経済成長期に集合住宅などで数多く採用されました。
しかし単純な構造でピッキングがしやすく、1990年代〜2000年代にかけて、ディスクシリンダーを狙った空き巣が大量に発生。
空き巣が多発したことと、理論鍵違い数が上限に達したことで廃盤になり、現在では販売されていません。
そのため新築物件で利用されることはめったにありませんが、古い物件などではまだディスクシリンダーが残っています。
もしご自宅の鍵が、廃盤になったディスクシリンダーの場合は防犯性が非常に低いため、鍵交換をオススメします。
ロータリーディスクシリンダー
ロータリーディスクシリンダーはディスクシリンダーの後継モデルです。
ディスクシリンダーと鍵の形状は変わりませんが、鍵穴(シリンダー)の構造が複雑化したことで、ピッキング耐性が向上しました。
合鍵を作成しやすく、鍵の価格も安価なため、費用はできる限り抑えて防犯対策を行いたい方にオススメです。
ピンシリンダー
ピンシリンダーはギザギザが一方向のみの鍵が特徴的です。
鍵穴(シリンダー)に鍵が差し込まれることで、ピン(シリンダー内の障害物)の高さが揃って、開閉できる仕組みとなっています。
シリンダー内部の構造がシンプルなことで、ピッキングがしやすく、ディスクシリンダーと同様に1990年代〜2000年代にかけて、ピッキング被害が増加しました。
しかし最近のピンシリンダーは、鍵穴にアンチピッキングや超鋼ピンなどが採用されており、ピッキングにも強い耐性があります。
いまだに、古い賃貸では、ピッキングに弱いピンシリンダーが利用されている場合もあるため、注意が必要です。
ディンプルキー
ディンプルキーは凹凸したくぼみと丸い鍵先が特徴的です。
最近建てられたマンションや一戸建ては、ディンプルキーがよく利用されていますね。
ディンプルキーのシリンダー内部には、大量のピンが上下左右に配置されています。
複雑な鍵穴の構造によって、熟練のピッキング技術でも鍵を開けるのは困難で、非常に防犯性が高いです。
ディンプルキーの中には、本人以外合鍵が作成できない、ドリルでも壊すのに10分以上かかるなど、さらに防犯性の高いものもあります。
値段は鍵の中で最も高価ですが、防犯性を重視するならディンプルキーがオススメですね。
マグネットタンブラーシリンダー錠
マグネットタンブラーシリンダー錠は、鍵とシリンダー内のピン(障害物)に磁石がついていて、鍵穴で磁石が作用し合うことで鍵が開錠する仕組みになっています。
鍵をささないと、鍵穴の磁石を操作できないため、ピッキングで不正開錠を行うのは不可能です。
価格もお手頃で、防犯性も高いのですが、マグネットの磁力が弱まると開錠できなくなるため、定期的な点検が必要です。
錠(ロック)の種類と特徴
鍵だけでなく、錠にも種類と特徴があります。
ここでは、住宅でよく用いられている錠を5種類、ご紹介します。
ケースロック(箱錠)
ケースロックは、戸建てやアパート、マンション等に幅広く使われている錠です。錠本体が、箱型の形状をしていることから、箱錠と呼ばれています。
錠本体に、シリンダー・ドアノブ・サムターン・締具(デットボルト・ラッチボルト)がすべてついているのが特徴的で、ケースロックを設置するだけで、扉の施錠と開閉が可能です。
インテグラル錠
インテグラル錠は、丸い筒のようなドアノブが内側と外側についているのが特徴です。
ケースロックと同様に、錠本体にシリンダー・ドアノブ・サムターン・締具(デットボルト・ラッチボルト)がすべてついています。
マンションやアパートなどの玄関ドア、一戸建ての勝手口などに使用されています。
円筒錠
円筒錠は、インテグラル錠と同様に、丸い筒のような形状をしています。
インテグラル錠との最大の違いは、デットボルトがついていないこと。
締具がラッチボルトのみなため、防犯性は低いです。
玄関口に利用されることはほとんどなく、室内用や勝手口などで使用されています。
プッシュプル錠
プッシュプル錠は、ハンドルに鍵穴がつけられた形状の錠です。
ハンドルを「押す・引く」だけで簡単に開閉できるため、子どもやお年寄りの方でも簡単に操作できるのが魅力ですね。
住宅玄関専用に開発された錠で、主に戸建てや新築マンションの玄関ドアに使用されています。
ほとんどのプッシュプル錠は、鍵穴が二つ設置されていて「1ドア2ロック」になっているため、防犯性にも優れています。
サムラッチ錠(装飾錠)
ラッチボルト(仮締)を、親指(サム)で押し下げることにより、ドアの開閉が可能なことから、サムラッチ錠と呼ばれています。
特徴的な装飾が施されていることが多いため、「装飾錠」と呼ばれていることもありますね。
主に、一戸建ての住宅に使用されています。
鍵のメーカーについて
次は、鍵のメーカーについてご紹介です。
実は、鍵の種類(ディンプルキー・ディスクシリンダーなど)は同じでも、鍵のメーカーによって、見た目や構造がかなり異なるんですよね。
たとえば、
- 鍵違い数が1,000兆通り
- 本人以外合鍵は作成不可
- アンチピッキング構造でピッキングは不可能
といったところでしょう。鍵を詳しく学ぶなら、ぜひ、鍵のメーカーについてもぜひ知っていただきたい!
そこで、今回は主要な鍵メーカー7社を簡単にご紹介します。
MIWA(美和ロック株式会社)
美和ロック株式会社は創立1945年、東京に本社を構える会社です。
国内シェア6割以上、売上高439億円、国外でも50カ国で採用など多数の実績を兼ね備えた日本シェアNo1の鍵メーカー。
玄関の鍵はもちろん、最近では「テンキー付非接触ICカードロック PiACK Ⅱ」や「電気錠ワイヤレスリモート制御システムwiremo」などの最新技術を駆使した鍵も開発しています。
代表的な鍵は、
- MIWAロックU9(ロータリーディスクシリンダー)
- MIWA PRシリンダー(ディンプルキー)
などで、ドリリング、ピッキングに10分以上の耐性(最高基準の性能)があり、防犯性の高さが魅力です。
GOAL(株式会社ゴール)
株式会社ゴールは、創業1914年、大阪の淀川市に本社を構える鍵メーカーです。
100年以上続く実績と高い技術力から、MIWAと並び、日本の住宅で使用されています。
日本で初めてシリンダー錠の国産化に着手、電子錠の開発など、高い実績を誇ります。
また、人に優しいデザインの丸みを帯びたキーヘッドを採用するを追求し続けるなど、「使いやすさ」にこだわった鍵も特徴ですね。
代表的な鍵は
- V18シリンダー(ディンプルキー)
- GRAND Vシリンダー(ディンプルキー)
です。GRAND Vシリンダーはなんと鍵違い数が1,000兆2,800億通りと膨大で、あらゆる不正開錠に強い耐性があります。
KABA(ドルマジャパン株式会社)
ドルマジャパン株式会社は、リバーシブルディンプルシリンダー(どちらの向きでも鍵穴に刺せる)を、世界で初めて発売した鍵メーカーです。
精密機械工業が盛んなスイスで誕生し、世界60カ国以上の地域で活躍中。
KABAは世界最強の鍵とも呼ばれており、代表的な鍵の「KABA STAR NEO」は、
- 理論鍵違い数が2兆2千億通り
- ドリルでも壊れにくい鍵穴
- 鍵登録システムで本人以外合鍵が作成できないなど
徹底した防犯対策が施されています。
WEST(株式会社ウェスト)
株式会社ウェストは創立1933年、大阪府寝屋川市に本社を構える老舗鍵メーカーです。
玄関用の鍵以外にも、レバーハンドルやキーチェーンなど、ドアや鍵に関わる製品を数多く生産しています。
玄関の鍵だと、交換用シリンダーの「917ディンプルシリンダー」が有名ですね。
20本の高精度ピンやアンチピッキングピンで高い防犯性があり、スムーズな操作性も魅力です。他社錠前と互換性も高く、オフィスの鍵などにも利用されています。
SHOWA(株式会社ユーシンショウワ)
株式会社ユーシンショウワは、1998年創業の大阪府茨木市に本社を構える鍵メーカーです。
機械式錠前はもちろん、カードロックや電子錠など多様な製品を開発しています。
代表的な鍵は、
- Xキーシリンダー(ディンプルキー)
- NXキーシリンダー(ディンプルキー)
です。
ピッキング防止ピンが採用されているため、防犯対策を行いたい方に非常にオススメですね。
FUKI(株式会社フキ)
株式会社フキは創立1971年の東京都江戸川区に本社を構える鍵メーカーです。
玄関の鍵はもちろんのこと、合鍵の元なるキーブラングなども取り扱っています。
玄関の鍵は交換用の「ティアキーシリンダー」を販売。
他メーカーのドアノブやシリンダーと交換可能で、玄関と裏口を同じ鍵で開けられるように、鍵交換を行うことも可能です。
新しく鍵を取り付けるならどの鍵がいい?
これまで、鍵の種類ごとの特徴から、鍵のメーカーについてご紹介してきましたがいかがでしょうか?
最後に、鍵交換・鍵の取り付けをご検討の方にオススメの鍵の種類をご紹介したいと思います。
- 防犯対策を徹底したい
- 費用を抑えて防犯を行いたい
といった二つの目的に合わせてご紹介します!
高い防犯性を求めるなら、ディンプルキーがオススメ
防犯対策を徹底したい方にオススメしたいのは、ディンプルキーです。
不正開錠に強い鍵はディンプルキー以外にもありますが、100%侵入をされないわけではありません。
たとえば、
「夜間や住民が不在中でピッキングを長時間していてもバレない」
「ドリルなどを使って無理やり鍵穴を破壊する」
「合鍵を無断で作成して侵入」
といった方法で突破される可能性もゼロではありません。
しかし、ディンプルキーの中には、上記のような特殊な開錠方法も防げる機能を持った鍵があります。
ここでは、防犯性がさらに優れたディンプルキーを選ぶための3つのポイントをご紹介したいと思います。
シリンダー内にピッキング防止構造が採用されている
ピッキング耐性がさらに高いディンプルキーを選ぶ際は、シリンダー内にピッキング防止構造が施されている鍵がオススメ!
ディンプルキーの複雑な構造と、ピッキング防止構造が合わさることで、不正開錠は非常に困難です。
- PRシリンダー(MIWA)
- 917ディンプルシリンダー(WEST) など
鍵穴にドリル攻撃への抵抗力がある
ピッキング以外にも、鍵穴をドリルなどの工具で破壊する窃盗犯もいます。
防犯対策を徹底するためには、ピッキング以外にもドリリングへの耐性がある鍵を選ぶのがオススメです!
たとえば、GOALのV18シリンダーは、ドリリング防止板と焼入鋼製セクションピンの2重ガードが「10分以上」(最高評価)のドリル攻撃を防ぎます。
身分証登録で合鍵作成を防止
「合鍵を作成されて窃盗に入られた。」
実は、一戸建てや共同住宅を狙った合鍵による窃盗被害は多く「侵入窃盗の発生場所別認知度件数」によると、令和4年には1,081件も発生しています。(恋人、元住民が合鍵を持っていた場合も含む)
身分証登録の鍵はそのような心配がありません!
代表的な鍵はKABAの「KABA STAR NEO」ですね。
鍵登録システムで所有者だけがスペアキーを作成できるようにすることで、安全性を強固なものにしています。
他の鍵メーカーでも鍵の登録制や身分証明の提示などを必須にしていますので、ぜひそちらも基準にしてみてください。
費用を抑えたい方には、ロータリーディスクシリンダーがオススメ
防犯対策とコストパフォーマンスを両立したい方には、ロータリーディスクシリンダーがオススメです!
ロータリーディスクシリンダーは、ディスクシリンダー(旧版)の価格の安さと、ピッキング防止構造による防犯性を兼ね備えています。
たとえばMIWAのU9シリンダーは、
- 鍵違いの数が150,994,944通り
- タンブラー内もピッキングを行いにくい複雑構造
となっています。
ディンプルキーと比較すれば、たしかに防犯性は劣りますが、価格以上の防犯性の高さは非常に魅力的です。
費用を抑えて防犯対策を行いたい方はこちらも検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回の記事では、鍵の種類や特徴についてご紹介していきました。
鍵と錠の種類について振り返りましょう。
-
鍵(キー)の種類
- ディスクシリンダー
- ロータリーディスクシリンダー
- ピンシリンダー
- ディンプルキー
- マグネットタンブラーシリンダー
-
錠(ロック)の種類
- ケースロック
- インテグラル錠
- 円筒錠
- プッシュプル錠
- サムラッチ錠
-
鍵のメーカー
- MIWA
- GOAL
- KABA
- WEST
- SHOWA
- FUKI
そして、新しく鍵を取り付ける際にオススメの鍵の種類は、
- ディンプルキー(防犯対策を行いたい方)
- ディスクシリンダー(費用を抑えて鍵を設置したい方)
でした!
この記事を読んで少しでも、鍵に興味が出ていただければ、幸いです。
最後に私たち、みんなの鍵屋さんについてのご紹介です。
「特徴はわかったけどどの鍵を取り付けようか迷う」
「防犯対策を行いたいんだけど鍵交換でオススメな鍵は?」
このような時は、ぜひ、私たちにご相談ください。
現地でお見積もりをして、最適な鍵をご提案いたします。お見積もり、電話、メール、すべて無料で対応しております!