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コラム
鍵トラブルの原因!カギ穴のメンテナンスしてますか?
2015/3/2 公開
鍵の専門家が丁寧に教えます!
鍵穴のトラブルで多いのはメンテナンス不足によるもの
カギと錠前というのは、実は精密な器具です。
ある程度形状が似ているカギならどれでも開いてしまう錠前なんてもってのほかですが、それと同時にマスターキーなど、複数の錠前を開けることができるカギの存在にも対応しなければなりません。
そしてまたカギと錠前は、その使用頻度においても非常に高い建具といえます。
ほぼ毎日外に出かける人は、やはりそれと同じだけ施錠と解錠をすることになるでしょう。オフィスなど扉は当然のこと、職場においては、個別のデスクの引き出しのカギからはじまって、金庫やさまざまな情報が記載されたファイルの入った棚などにかけるものなど、防犯上何重ものカギのセキュリティーが存在しているはずです。
またカギは屋外と屋内をつなぐ場所にカギが設置されるところも多く存在していますね。
出入り口、玄関のドアの施錠がまさにそれですが、外部に面した方は当然のことながら風雨にさらされています。カギ穴は狭く作られていますが、たとえば雨の日に取り出したカギが濡れて、そのまま差し込まれることだって珍しくはないはずです。
そうして少しずつ蓄積される水分は、空気中のチリを定着させて故障の原因となります。昼夜の気温差での結露など、カギ穴はどうしても湿気がたまってしまうもので、この水分が抜けるよう穴があいているカギも存在しますが、やはり経年劣化によってゴミが溜まってしまうのです。
カギ穴にゴミが溜まるとシリンダーの回転が阻害され、何か引っかかったような感じになります。それでもそのままそのカギを使い続けると、最悪の場合はカギがポッキリと折れてしまうことがあるのです。
折れたカギの破片がカギ穴に残ったままになると、取りだすのは大変です。最悪の場合、シリンダーそのものを分解する場合だってあるでしょう。
特に注意したいのは、引っかかりのあるカギ穴にスプレー系の潤滑油を吹き付けることです。これはかえってチリの定着を促進させるため、絶対にやってはいけません。潤滑剤はカギ穴専用のものを使用しましょう。
突然、カギが抜けなくなってパニックに
カギのトラブルで多いのは、一旦挿したカギが抜けなくなることです。
例えば、オートロックなどを採用している場合、カギ穴にカギを挿しこみ、回転させた状態で、そのまま扉を開けることがあります。これはカギを抜いてしまうとまたロックがかかってしまうためで、慣れていない人は何度やっても扉をあけることができなかったりします。
このようなケースは、カギを挿しこんだままドアを開閉することが前提になっているので問題ありませんが、通常のカギの場合は開錠したのち一旦カギ穴からカギを抜き、扉を開くというプロセスになります。
このとき、メンテナンスを怠ってトラブルをかかえているカギやシリンダーだとカギがカギ穴から抜けないという現象が起こります。
カギが抜けなくなるという現象は開錠の是非に関わらず起こりますし、どちらにせよその場を容易に離れられなくなるためとても厄介なのです。
たとえばカギが開かないというようなケースでは、ある意味、施錠されている状態には変わりませんから、その場を離れることもできますし、対策を講じる手段も広げることができます。
しかし、挿しこんだカギが抜けなくなると、基本その場を離れることが出来なくなるため、対処方法は電話連絡くらいになってしまいます。
さらに厄介なのは、挿しこんだカギが抜けなくなった瞬間、大抵の人は軽いパニックに陥るということです。
ここで誰もがやってしまうことは、無理やりにでもカギを抜こうとすることですが、これはひとつ間違うとカギが折れてしまうという最悪の結果を招きかねません。特に力任せにカギを抜こうとするのはとても危険なのでやめましょう。いったんカギが折れて、その破片がカギ穴の中に残ってしまったなら、これはもう単なる修理では済まなくなってしまうからです。
わかっていてもついつい面倒臭くて怠りがちなカギのメンテナンスですが、実はトランブルを起こさないためにとても大切なことなのです。
カギ穴は定期的に掃除機でゴミを吸い出したり、カギそのものをブラッシングするとともに、専用の潤滑剤などでしっかりとお手入れをしておくことが重要になるのです。